キャストグループ20周年を迎えての抱負

            

(2019年11月4日(月)以降、ブログは毎週月曜日に定期的に執筆、配信します)

 

去る2019年8月27日にキャストグループは満20周年を迎え、21年目に入りました。

 

中国依存度が極めて高く、現在ほど受任業務の多様化が進んでいなかった2014年、2015年に赤字計上をして18勝2敗の成績ながら、もう20年も経ったのかと感慨深い思いで一杯です。

 

20年もの間、組織を維持してこれたのは、偏に何時の時代にも私たちを信頼してくださるクライアントがいたからで、過去に1回だけでもご依頼を頂戴したすべてのクライアントの皆さまにはこの場を借りて、心より御礼申し上げます。

 

クライアントに対する心からの感謝を胸に、満20周年を契機として、私は次のように考えるに至りました。

 

1、    まず、現在54歳(今月で55歳)の私が還暦を迎える2024年11月18日までに、5年間で可能な限り、キャストグループが私不在でもやっていけるような組織にできないか、全力で挑戦してみたいと思います。目標はそれだけであり、他にありません。それが実現できれば、私たちは身売りをしたりすることなく、従業員たちの雇用も年収水準を一層向上させる努力を図りながら守ることができます。私を信頼してくださるクライアントの信頼も私に対するものから組織に対するものへと完全に変わり、サービスの永続性を保障することができます。

 

2、    現在、相当良くなってきていますが、キャストグループが私不在でもやっていけるような組織になおなっていない最大の理由は、様々な原因によりパートナーと呼ばれる人たちのうち一部に私に代わり得る顧客誘引力が不足しているからです。

 

3、    しかし、顧客誘引力が不足する理由は、彼らに能力がないからではありません。むしろ、能力は大手事務所と比較しても決して低くなく、十分な水準に達している人たちが多いと確信します。

 

4、    それにもかかわらず、なぜ、顧客誘引力が不足し、全体経費維持に対して十分な貢献ができないという現象が発生するのでしょうか?その原因と対策を検討します。

 

(1)    組織や従業員を守り抜く気概と責任感の醸成

 

1つには創業者と異なり、ご縁のある組織、ご縁のある従業員たちを守り抜くという気概や責任感に相違があることが考えられます。この気概と責任感があれば、売上げと利益の源泉である顧客吸引力を何があっても身に着けようと己と格闘するはずですからね。しかし、一部のパートナーにそれが不足するとすれば、それは私自身の責任によるところが多いかもしれません。というのは、パートナーにとってこの縁のある組織、縁のある従業員たちを守り抜くという気概や責任感はなぜ必要か、それはどうやって醸成すればよいかのアドバイスを私が系統立ててしてこなかったという歴史的経緯があるからです。創業者が自然に身に着ける気概や責任感も全部かどうかは不明ですが、必ずその重要な一部は伝えることができると確信します。そのための努力を20年間、きちんとしてこなかったのは偏に私の責任であり、それが全体としての顧客誘引力不足による組織の脆弱性(私が突如不在となれば、現在の規模で組織維持ができないこと)をなお残存させている最大の原因です。ですから、今後は必ず伝える努力をします。その結果、全員にではなくても、一部にでもそれが届けば、大成功です。

 

(2)    顧客誘引力向上に関するアドバイス

 

 顧客誘引力は天性のキャラクターによる場合もありますけれども、それだけで顧客誘引ができるほど、専門家業は甘いものではありません。クライアントが必要とする「何か」について、競争相手と比較して圧倒的に差別化された「何か」を提供できれば、クライアントは必ず私たちを選んでくださいます。顧客誘引力とは、その圧倒的に差別化された「何か」を、個々のパートナーが持つ資格、資質、識見、能力という個別具体的文脈において発見し、育成し、提供し、改善するプロセスにおいて醸成されるべきものであり、何が個々の専門家の「何か」であるかは多種多様である、と考えます。それを全部自分で気づくことができればよいのですが、それには時間もかかり、非効率です。なので、私はパートナーに煙たがられない限り、個々のパートナーが自分たちの魅力に気づけるようにアドバイスを積極的に行おうと思います。

 

(3)    未来のパートナーに対する同様の努力

 

 現在のアソシエイトは未来のパートナーです。彼らの全てがパートナーとなり、組織を支えもらうことは期待できないとしても、彼らが私たちの組織を離れた後も、ご縁のある組織、ご縁のある従業員たちを守り抜く気概や責任感を持ち、かつ、個性に応じた顧客誘引力を身に着けていれば、必ずやどこでも力強く生きていくことができるはずです。なので、彼らには、ともかく、どこででも生き残れる力をつけてあげたいと思います。

 

5、    その他の努力として、次のような方針を立てました。

 

(1)    多様性の強化−私たちの組織の誇るべき最大の特徴は「誰も、誰が日本人で、誰が中国人であるかを一切意識しない」点にあります。私たちは満20周年で、日中間で最も日本人と中国人が1つの家族のような、また永遠に続く友人のような強烈なご縁で結び付いた組織を作り上げることに大成功したと確信しています。そうであれば、次の5年、次の10年で、私たちはそれを他の国家、地域に広げることができると強く信じます。日中間で1つの強固な家族関係を形成した私たちの経験は、必ず他の国家、地域の人々との関係構築にも生きると確信します。

 

(2)    誰も真似ができないサービスの強化−私たちの組織の誇るべき最大の特徴は、日本人専門家と中国人専門家が一体になって、中国ビジネス分野で、他の専門家が解決できない複雑な問題を解決し、他の専門家が気づかないリスクを指摘し、その予防策を示すことができるという点にあります。これが昔も今もできている実感はありますが、中国ビジネス分野が複雑さを増す現在、私たちのこの分野における競争力は過去最高に達していると自負します。しかし、中国ビジネス分野でできたかかる競争力の醸成が他の分野でできないはずがない、と確信します。私自身は今後5年、10年をかけて、「England and Wales法の系譜を継ぐ香港法を中心とする法域のcommon law分野を日本語で伝達する」という点で、誰も真似ができないサービスの強化を図る覚悟ですが、他のパートナーにも同じように、誰も真似ができないサービスの強化をお願いしたいところです。

 

まあ、以上のように格好の良いことを書いても、2014年、2015年には最大89名もいた中国の陣容を現在の30名強まで縮小するリストラを断行せざるを得なかったのですから、今後も経営では何があるかはわかりません。

 

組織や従業員を守り抜く気概と責任感とか聞こえの良いことを言いながら、ピンチの場面では冷酷な所業を決断し、実行せざるを得ない矛盾のうちに生きるのも経営者です。

 

もともとの目標設定が低い私は弁護士としても資産や収入としても、20歳の頃の私が自分の今を見ればひっくり返るほどの水準に到達できたと、いつも、.ライアント、⇔梢討箸汗菫塚諭↓神仏に滅茶苦茶感謝しています。

 

そうなると、後は二流水準の経営者としての腕前を向上させ、規模の大小はともかく、日本で最良のサービスを提供できる分野を持った強烈な組織を育成し、これによりまず従業員(できるかどうか定かではありませんが、彼らの引退時に何としても全員2000万円の貯金を持てるようにしてやりたいです。この種のお話も、まず声に出さなければ実現の仕様がありませんから、まず声に出します)、次に日本社会、最後に世界社会に感謝を還元していきたいと思います。

 

以上は中小企業のおやじ経営者の独り言ですが、日々一生懸命生きている同じ中小企業の経営者の胸には響くこともあるかもしれません。

 

あの世に旅立つときには、お金は持っていけません。来世に持っていけるのは、感情面では家族や友人との楽しかった思い出と、技術面では自身の職業を通じて獲得した知恵だけである(そしてそれは来世でも必ず使える)と信じる私にとって、満88歳の誕生日の前日までと決めたリタイアまで、なお知恵を増やすべく日々経営を巡る格闘を楽しみたいと思います。

 

ブログを始めた頃(2014年2月)は、まだ至るところで中共中央に弾圧された法輪功が中共中央や江沢民の糾弾ビラを貼り、糾弾演説をしており、それが表現の自由が制限されたシンガポールと対比した香港の象徴であった。しかし、次第に彼らの姿は消えていき、代わりに中環(セントラル)では釣魚島(尖閣諸島)は中国の領土だとする旗が多数はためくに至っている。覇権争いの本質を有する米中貿易戦争のあおりで、現在の日中関係は、国家指導者同士の蜜月にすぎなかった1982年乃至1987年の中曽根・胡耀邦時代と異なり、キャストを含む草の根交流が根付くので、国交回復(1972年9月29日)以来、最良であり、また形こそ変われども20年は継続すると思われる米中貿易戦争効果で、同じだけの期間、日中政治関係も良好だと確信する。そのため、大陸メディアで大っぴらに尖閣諸島の領有権問題を以前ほど積極かつ頻繁に取り上げなくなっており、その間は香港、台湾の同志を利用して風化を防止するという魂胆であろう。それは中国の目線からすると賢明だ。けれども、「法輪功が去り、釣魚島がやって来る」構造に、一国二制度の良好な面が侵害される現在の一端を見る思いがする。それに一抹の寂しさを感じるのは、私だけではないかもしれない。

 

以上


■筆者: 村尾龍雄■-----------------------------------------------------------------
弁護士法人キャスト 代表弁護士・税理士
香港ソリシター(LI&PARTNERS(香港)所属)
キャストコンサルティング株式会社 代表取締役
加施徳咨詢(上海)有限公司 監事
加施徳投資香港有限公司 董事
キャストグループ   キャスト中国ビジネス
■東京/大阪/埼玉/上海/北京/蘇州/広州/香港/ヤンゴン/ホーチミン■----------------



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