米中貿易戦争が続くと、中国はどうなるのだろうか?−ワーストシナリオ(その2)

            

米中貿易戦争は、米中間の冷静な話し合いで短期的に解決するはずだ、なぜなら、2019年1月の中国の対米輸出額の半数に相当する製品に25%の高関税率を発動するにとどまらず、トランプが最悪のシナリオとして示唆するとおり、中国の対米輸出全額に25%の高関税率を発動すれば、中国製の完成品に依存するアメリカ消費者、中国製の部材に依存するアメリカメーカーの利益を深刻に毀損し、時の経過とともに自傷効果が明らかになってくるに違いないからだ−このような冷静な議論が通じないからこそ、トランプはトランプなのだと仮定すると、米中貿易戦争が長期化するシナリオで中国にいかなる打撃が生じるのかを考察することには意味があります。

 

以下、今回と次回以降に分けて、3つの大きなリスク(仝柩冑坩臓↓不動産価格の下落、新たな世界規模の経済危機の到来時における危機回避策の欠如)をワーストシナリオとして取り上げます。今回は雇用不安です。

 


米中貿易戦争が続くと、中国はどうなるのだろうか?−ワーストシナリオ(その1)

            

トランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争は、2019年1月以降、中国製品の対米輸出製品の50%に相当する部分に25%の高関税率が課せられるという苛烈を極める段階に急速に発展しています。

 

中国政府はこれに対抗手段を講じることで弱腰姿勢を人民から非難される事態を回避する構えですが、アメリカの対中輸出製品と中国の対米輸出製品では全然分量が違いますから(=後者が前者より圧倒的に多い)、この戦争は長期化すればするほど、中国経済に深刻極まりない影響を与えていくことは確実です。

 

それは当面のA株市場の指数が防衛ラインとされた16年1月の安値2655を下回ったことでも明らかです(養老保険基金など国家主導の下支えが奏功しなかった端的な証左です)。

 


中国ビジネス法研究は新しい時代に突入した

            

中国ビジネス法は、尖閣諸島の国有化問題で日中関係が悪化して、1999年下半期から継続する第三次対中直接投資ブームが終焉する2012年9月までは、メーカー(生産型外商投資企業)を中心とする法律研究が中心でした。

 

具体的には、現地法人の設立に始まり、M&A、債権管理・回収、労務管理、知的財産権の保護、消費者権益保護(消費者権益保護法、製品品質法、反不正当競争法)、税務、税関、企業撤退といった法律群について、研究していれば、クライアントからのオーダーに対応することができたのです。

 

こうした定番の研究分野に関しては、私自身も多数の論文や講演をしましたし、競業他社も同様でしたから、知識が時間の経過とともにどんどんと陳腐化の一途をたどりました。

 

そうなりますと、結局、価格競争力で優位に立つところが勝利する構造が働きますので、日本語が上手な中国律師が爆発的な数、存在する中国市場において、こうした伝統的法律分野のみを取り扱う限り、2000年代初頭のようなブルーオーシャン環境を享受できる可能性はなくなります。

 


現在は国交正常化後、最善の日中関係構築の機会かもしれない

            

日中の国交正常化は1972年9月29日ですが、その時は文化大革命(1966年〜1976年)の真っただ中でしたから、日中友好を叫んでも、それを裏付ける経済活動は限定的にならざるを得ず、スローガン中心で、実を伴うものにはなりませんでした。

 

しっかりとした実を伴うものになり得る両国関係は、今年40周年を迎える改革開放政策(1978年12月)の開始により、公有制経済(国有、農民集団所有)が独占する中国に非公有経済(当初は外資のみ)が登場する混合所有経済が誕生した1979年以降に初めて形成されるチャンスが生まれたのです。

 

その後、現在有効な中国の憲法が成立した1982年から1987年まで、中曽根総理(当時)と胡耀邦総書記(当時)の両名は過去最善の日中関係を形成することに成功しました。

 


中国の法制度の急速な法制度の発展ぶりに驚愕

            

私が上海に赴任した1996年といえば、民事保全の申立ての関係で通された裁判官室で、外国人の私が面前にいるにもかかわらず、別案件の関係で押し入ってきた明らかに原告側か被告側の代理人と面談し、たばこを堂々ともらったうえで、「今度さあ、例の案件について話したいのだけれど、晩御飯でもどう?」と聞かれて、「じゃあ、次の土曜日の夜で」とか約束しているというとんでもない状況が日常茶飯事に行われていました。

 

西欧型民主主義を採用しない中国では理論的におかしなことではないものの、国会に相当する全人代常務委員会が制定した法律を内閣に相当する国務院がその制定する行政法規を通じて勝手に改正したりして、法のヒエラルキーがないアナーキーな状態で、そもそも中国法を外国人が体系的に理解をしようとすることにどれほどの価値があるのか、日々悩む毎日でした。

 


第四次対中直接投資ブーム−地味だが、長く続くであろう理由とは?

            

今年40周年を迎える改革開放の現在まで、過去に3回の対中直接投資ブームがありました。

 

第一次ブームは1978年12月の改革開放以降、天安門事件(1989年6月4日)までの約10年間継続した委託加工を中心とするものです。現在のミャンマーやバングラデシュへの投資とほぼ同様、アパレルメーカーが低廉な労働力に着目して、資本投資はしないものの、生産設備を無償貸与するなどの投資で稼ぐというビジネスモデルですね。

 


中国が大胆な外資開放を一層進める根拠とは?

            

中国は最近ネガティブリストを改訂し、大幅な外資開放を進める姿勢を打ち出しています。

 

ネガティブリストというのは、外資プロジェクトのうち、制限するか、禁止するかの類型を示す中央政府が作成するリストで、そこに掲載される類型が減少すればするほど、外資開放が一層進むことになります。

 

今夏に公表されたこのリストでは22にも及ぶ規制緩和が公表されたほか、近い将来に自動車や保険という中国企業との合弁プロジェクトの強制が設けられていた分野についてすら、外資100%で展開することができるという「未来の規制緩和を先行提示する」という、2001年12月11日の中国WTO加盟に合わせて締結された承諾書(=一定の期間内の外資プロジェクトの規制緩和を中国政府が約束した表)以外に、余り見る機会のなかったパターンにも、外資開放を徹底して図ろうとする中央政府の意図が垣間見えます。

 

しかし、そこまで大胆な外資開放を進めようとする根拠は何でしょうか?

 


中国−今日が七夕で、男性が女性に花を贈るとは?

            

中国では、今日が七夕節だと聞くと、日本の皆さんからは「あれっ、7月7日って、既に1月半も前に終わっているのですけど?」という反応が返ってくるだろうと思われます。

 

しかし、旧暦(農暦)を今なお重んじる中国では(なので、毎年春節の期間が異なります)、農暦基準で計算すると(*)、今日8月17日が農暦の7月7日に該当しますから、本日が七夕節になる、というわけです。

 


小室圭さんを断固として応援する

            

奥野総合法律事務所にパラリーガルとして勤める小室圭さんに対するマスコミの容赦ないマイナス報道が続いています。

 

しかし、政府要人でもない彼に対するマスコミの報道のあり方を見ていますと、本来的には選良の資格、資質、能力、識見に関する自由な情報流通を担保するための手段として高度な保障が付与されるべき表現の自由、そしてその内実である報道の自由の濫用との誹りを免れない思いに駆られます(刑法犯でもなんでもない不倫報道についての人民裁判的な不合理な煽り報道も同様ですね)。

 

そもそも小室さんは、秋篠宮家の長女眞子様との婚約が内定しておられると言っても、政府要人でもなく、一私人なのですから、彼のプライバシー権は一切考慮する必要がないとの前提に立脚するかのようなマスコミの報道のあり方は到底正常とは思えません(自分や家族がその対象者になった際の感情を想像してみろ、と言いたいところです)。

 


中国で表現の自由を完全開放すると、何が起きるのか?

            

日本を含む西側メディアには、中国で表現の自由規制が厳しく、それが香港にまで波及をしている現状を糾弾しようという風潮が常に存在しています。

 

確かに西欧型民主主義を採用する日本を含む西側諸国では、為政者の資格、資質、能力、識見に関する自由な情報流通が保障されなければ、長い歴史的闘争の末に勝ち取った普通選挙権を国民が適正に行使して、全国民の代表であるべき選良を選択するのに支障が生じますから、個人の人権というレベルを超えて、ある種の制度保障的観点からも表現の自由に高度の保障が付与されるべきは当然である、という結論が導かれます。

 

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